保育園という場所は単に「お子さんを預かる施設」というだけではなく、保護者の様々な子育ての悩みを受け止め共感し、時には一緒に解決しながらお子さんの成長を見守っていく、そんな駆け込み寺のような機能も持ち合わせていると日々感じています。
小さいお子さんを抱えながらお仕事をするということは簡単ではないので、保育園が少しでも親子共々心身健康でいるために存在していたらいいなと感じています。
子育てをしている中で保護者の悩みは様々です。どれも「そうそう、そういう時ありますよね」「辛いですよね」と共感できることばかりです。
しかし我が子のことを思うばかりに多くの親御さんがやってしまいがちな行動があり、大人がよかれと思ってやりがちな行動が、子どもの成長のサイクルを止めてしまう危険性があるため、大人はよく考えて行動する必要があります。今回はその行動を5つご紹介します。
①大人がせきたてる
子どもがゆっくりと自分のペースでやりかけているのに大人のペースで「速く、速く」と急かしてしまいがちです。忙しい朝など特にそのような行動をしがちですが、子どものペースは大人の8倍ゆっくりだというデータもあります。急かしてしまう代わりに「今日はあんまり時間がないね。スピードアップできそう?」と急がなければならない状況を伝えることで(うまくいけば)子どもの気持ちが切り替わることもあります。
②大人が先回りする
子どもが自分でこれから「やろう!」と動き出す前に大人が先回りしてやってしまいがちです。これを繰り返すと自分からやらなくなり、大人がしてくれるのを待つようになってしまいます。
③大人が中断する
子どもが集中し、同じ活動を繰り返しているのに大人の都合で中断をしてしまうことが繰り返されると、「どうせやめさせられるから」と、1つのことに集中し突き詰めていこうという意欲がなくなります。
集中している時はあまり口を出さないことが鉄則です。「こっちやってみる?」「もっとこうするといいよ」などの言葉がけも極力少なくしましょう。もし手伝いが必要な様子があったら「Do you need any help?」と声をかけ、どのぐらい手助けが必要かを確認するとよいでしょう。
④大人が代わりにやってしまう
よくありがちなフレーズは「それは危ないから」とか「あなたにはまだ無理だから」や、「ママがやったほうがきれいにできるからやってあげるね」など様々な理由で大人が代わりにやってしまうと、子どもは大切な敏感期に成長のチャンスを失い、自らやろうとする意欲も奪われてしまいます。子どもが自分でやり遂げようとすることに間違いもダメもありません。
⑤大人がほったらかしにする
「何でもしていいよ」と言われてほったらかされ何も教えられないと、子どもは何をしていいのかわからず不安になってしまいます。自由を保障した上で見守ることと放任することとは異なります。
危険なこと、しては欲しくないことは言葉で伝え、何が良くないかの理由もセットで子どもに伝えるとよいでしょう。