カリキュラム:思考力(創意工夫)
今後の学習指導要領改訂で重きを置かれる「考える力(思考力)」
目に見えない力だからこそ、伸ばしてあげたい!
【質の高いアウトプット】
~保育士の仲立ちに必要なこと
思考力を高めるためにも、質の高いアウトプットを普段から心がけています。
会話の中で自分の考えを相手に伝わるようにアウトプットすることは思ったより簡単ではありません。
子ども同士、コミュニケーションにおけるトラブルは日常茶飯事ですが、
その際、仲立ちとなる保育士が気をつけるべきことは、
・両者の話に目線を合わせて、あるいは、抱きしめながら、きちんと聞く。
・必要に応じて二人同時(複数の場合はその人数分)にそれぞれ保育士が聞く。
・トラブルをエスカレートさせなかったスキルを発見し、どうしてそうできたのか?を聞く。
たとえば、子どもがだれかをたたいた時、一義的にしかるのは当然として、
たたいた回数が一回だったなら、なぜ一回でやめたのか?どうやって一回でやめたのか?を聞きます。
するとこちらが望む答えが返ってくることが多く、
その一回でやめたスキルを、0回段階で使えばいいので、
単なるしかり、罰刺激を越えて、望ましい行動の強化ができます。
【適応力】
~与えられた条件のなかで、最善策を取る力
子どもはルーティンを好む傾向があります。
敏感な故に大人ならば気にしないような小さな事にも執着したりします。
変化を嫌う傾向や、逆に変化を好む傾向は、遺伝要因で4~6割程度説明できます。
それが文化差に見えたり、子ども独特と思えたりします。
変化への対応力が足りなく見えるなら、それが革命的に切り替わることはないと心得たうえで、
執着に見える行動の中に、変化につながる行動を見出します。
子どもが見つけた小さな変化を、「よく見つけたね」「どこがどう違うの?」「やって見せて」
などと聞くと、新しいやり方を体験してくれます。
答えや望ましい方向、またはその芽は常に子どもの中にあります。
それを引き出す働きかけを常に心がけています。
【思考力がアップするフレーズ】
~言葉に耳を傾ける時、質問を中心に!
答えが子どもの中にはっきりとない場合でも、「教える」のではなく、
子どもの考えの中や行動にすでにその萌芽が必ずある、と考え、
その萌芽を伸ばすことだけを発見的に探し続けるようにしています。
普段の子どもとの会話の中から、子どもに考えるキッカケを与えたり、発話を促す働きかけとして
質問を中心に子どもの言葉を引き出す事を心がけます。
「どうして?」
-普段から理由を聞くことで、自分で考えた理由を言語化することで、説明力能力がアップします。
「どうやって?」
-どのように工夫したり、悩んだりして行動したのか詳しく聞くことで過程を考えるようになります。
「本当はどうしたい?」
-正しさは人、状況、環境などによっても異なります。どんな気持ちなのか?どうしたいのか?
自分の気持ちを言語化することで明確にします。
「どうすれば良いと思う?」
ー子どもが悩んでいたり、失敗したときには、子ども達自身で答えをだしてもらい、そのために必要なことを一緒に考えます。
まだまだ自分の気持ちを上手く表現できない子どもたち。
何げない日々の声かけや働きかけの大切さがよくわかります。